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【領 収 書 の 概 要】
(1)領収書とは
会社または個人事業主がある取引を行った場合、相手方から領収書を貰い逆に領収書を発行します。
個人の場合には、コンビニ・デパートにおいて買い物をしたとき、またレストランにおいて
食事をしたとき、料金を支払いレシートを受取ます、また支払い額が高額になりますと収入
印紙貼られておますが、これは法律上、何を意味するでしょうか?
領収書とは、例えば、商品やサービス等に対して金銭の受渡しがなされたときに金銭の受
渡しが確実に行われた事を証明するために「金銭の受取り側」が発行する書面です。
領収書は、お金を支払う方から見ると自分がお金を支払った事を証明することができます。
また、逆にお金を受け取る方から見れば自分がお金を受け取ったことを証明することがで
きます。
つまり、お金の受取り、金銭の受領の証拠として役割を果たしているのが「領収書」です。
領収書は、どちらかと言えば、「お金を支払う方」に大きな利益があります。お金を支払う
からには、必ず受取る必要があります。お金を支払っても領収書を貰っていなければ自分が
お金を支払ったと事を証明することは、著しく難しくなります。
下手をすれば、領収書を受け取っていないと、再度の支払い、二重払いの危険があります
ので注意が必要です。
(2)領収書の発行時期、作成方法
① 領収書の発行時期
領収書を発行する場合、領収書はいつ作成するべきでしょうか。領収書は商品の引き渡しの時
、お金の支払いと同時に発行することが必要です。
友人、親戚等の親しい間柄であっても、お金を受け取っていないのに領収書を先に渡すことは
避けることが必要です。お金を支払ってもらえない恐れがあります。
それでは、領収書の発行をお金の支払いと同時に発行することにより法律上の不利益は生じな
のでしょうか。
この点のついて、民法第486条は、「弁済した者は、弁済を受領した者に対して受取証書の
交付を請求することができる。」規定しています。
ここで規定されている受取証書が領収書です。この規定によれば、領収書の交付とお金の支払
いとは、同時履行の関係になります(判例)。
従って、お金を受取り領収書を発行する方は、領収書を発行しなければお金を受け取ることは
できず、これとは逆にお金を支払う方は、領収書を発行してもらわなければお金の支払いを拒
否するこができます。また、このように拒否したとしても法律違反ではなく債務不履行とはなら
損害賠償責任を負わなくても良いことになります(民法第415条)。
② 受取書・領収書の電子化
令和3年5月から、民法第486条に2項か追加され、紙の「受取書、領収書」以外に、その内容を記録した「電子的記録、電子データ、電磁的記録」の提供を請求することができるとされました。
これは、「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律(令和3年法律第37号)が成立し、令和3年9月1日施行されて認められました。
(受取証書の交付請求等)第四百八十六条 弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる。
2弁済をする者は、前項の受取証書の交付に代えて、その内容を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。ただし、弁済を受領する者に不相当な負担を課するものであるときは、この限りでない。(追加)
③ 作成方法
領収書の作成方法に関しては、一定のきまりはありません。さらに作成する用紙について、きま
りはなく市販の領収書でも便箋でもよいとされており、パソコンでワード・エクセルを使用して
作成することもできます。
因みに、後輩の他士業は、パソコンのワードソフトで自分が作成した領収書に職印を押して使
用しています。
★領収書は、お金の受取ったという証拠の役割を果たしますので、その性格上、絶対的に記載
しなければならない事項があります。
それは「金額」と「その金額を受け取りました」との記載です。
「金額」については、金額の始めに「金」、後には「也」「−」を記載します。また3桁ごとに
カンマを入れます。
これは、あとから桁や数字を追加されたり、変造されることを防止ための措置です。
次に、お金を受取った債権者またはその代理人 とお金を支払った者(支払人)の氏名、さらに
「受取った年月日」も必要です。
日付は、月日だけではなく「令和〇〇年」、「202×年」と記載する必要があります。
領収書作成のチェックポイント
a 金額 変造されないように記載します
b 受取権者 この記載がないとお金の受取の証拠としての役割を果たすことができないこと
受領権者 になります。
c 但書 債務の内容を特定するために詳しく記載します。
d 日付 利息、遅延損害金等で問題が生じないために記載します。
e 宛名 領収書が他に流用されないように、受取人が記載します。
(3)領収書作成上の問題点
① 日付について
領収書の日付を実際にお金を支払った日と違った日付にして貰うことは、良く行れていると思
われますが、このように実際にお金を支払った日付と異なった日付が記載された領収書の効力
は有効でしょうか?
現実にお金を支払い受取人が受取った事実がある以上、日付が異なっていても領収書(受取証書)
としての効力には問題がないとされています。
しかしながら、異なった日付けの領収書を使用することによって税金を免れたり、税金の還付を
受けた場合は、脱税となります。
その結果、重加算税を徴収されたり刑罰を科せられる恐れがありますので注意が必要です。
② 領収書の再発行
受け取った領収書を失くしてしまった場合、発行者に再発行を請求することはできるのでしょか?
法律上、発行者に再発行義務は規定されていないため、法的に再発行を請求することはできません。
ただ事実上の問題として、発行者に再発行をお願い、依頼することになります。
例えば、病気にかかりクリニックに行くと、受付や会計窓口に良く「領収書は、再発行致しません、大切に保管ください」、「当医院は、領収書を紛失された場合でも、再発行はいたしません。 ご了承ください」という張紙を目にすることがあります。
また、領収書の下の方に「領収書の再発行は致しかねます。大切に保管してください」との内容の文言が印刷されている場合もあります。
さらに、会社の登記簿謄本、印鑑証明書を取るために法務局に行きますが、申請書に収入印紙を貼ります。法務局のフロアーには、印紙売場あり、そこで収入印紙を購入しますが、印紙売場の窓口に、「領収書の再発行は致しません」という張紙が貼られていることがあります。
これらは、お願い、依頼されても領収書の再発行には応じられませんという意思を宣言したとい
えます。
もっとも、領収書は、税務処理上において必要となる書類です。もし領収書の宛名が記載されてい ないときに紛失した場合には、拾った人が自分の領収書として処理する可能性もあります。
③ 領収書の宛名と整理番号
領収書の宛名は、お金を支払った人(支払人)を記載する他に、「上様」と記載されている場合がありますが、「上様」の場合、紛失したときに、他人に流用される恐れがあります。
また、税務調査のときに万全とは、言い難いと思われと思われます。従って、できる限り支払人の氏名・商号を名宛人に記載する必要があります。
なお、領収書には整理番号が書かれているものと書かれていないものがありますが、領収書の効力としては、同様であり全く差はありません。
むしろ、領収書の番号が記載されているときちんと経理上の管理がなされているとの印象があります。これは、企業在職中に経理担当者の感想として聞きました。
また、経理の内部監査を実施した内部監査部門も同様の感想でした。
④ 仮領収書 預り証
仮領収書とは、正式の領収書用紙がないとき、支払われた金額が全体の一部であった場合に
仮に金銭を受け取ったことを証明し、後日に全額の支払いがあったときに正式の領収書を発行
することを前提に発行される場合を言います。
仮領収書の名称でも、お金の支払いが明確にされている以上、領収書の効力には問題はありま
せん。
しかしながら、トラブルの未然防止、リスク回避の観点からは、できる限り正式の領収書を発行
または受取ることが重要です。
★ 仮領収書に似たものに「預り証」があります。
預り証は、後で返還が予定されている金銭、お金(預り金)を受取った事を証する書面です。
確定的に金銭、お金を受取ったことを証明する仮領収書とは異なります。
因みに、仮領収書の場合でも、お金の支払いがなされている以上、印紙を貼付する必要があり
ます。
また、預り証も国税庁通達によって課税文書とされていますので、仮領収書、預り証を発行する
ときには印紙を貼ることを忘れないようにすることが重要です。
(4)領収書に印紙が必要とされる場合
① 印紙税の納付
契約書、領収書等の課税文書を作成したときは、記載された金額に応じた印紙税を納めなければ
ないとされています。
例えば、領収書の場合、記載金額が5万円以上の場合は、印紙の貼付が印紙税法によって定めら
れています。以前は記載金額が「3万以上」でしたが、印紙税法が改正されました。
平成26年4月1日以降に作成されるものについては「5万円以上」と改正されています。
印紙税は、作成した領収書に収入印紙を貼り、消印することにより納付したとされます。
② 印紙税の納付義務者
印紙税の納税義務者は、課税対象となる領収書を作成した人(法人・個人)とされています。
課税文書である領収書に印紙を貼付しなかった場合、脱税になるため罰則があります。
a 領収書に印紙を貼らなかったときは、本来、納付するべき印紙額とその2倍に相当する印紙
額が過怠税として課されます(印紙税法第20条1項)。
もっとも、印紙を貼り忘れたことに気づき自主的に申告したときは、納付しなかった印紙税額の
額とその10%に相当する金額の合計額、つまり印紙税額の1,1倍に減額されます。
b 印紙に消印がなされていない場合は、印紙の額面金額に相当する額の過怠税が課税されます
(印紙税法20条3項)。
なお、過怠税はその全額が法人税の損金、所得税の必要経費には算入されないとされています。
更に、会社に在職中に財務経理部の責任者に聞いた話ですが、経理の責任者が以前の会社におい
領収書ではありませんが、課税文書である契約書に印紙を貼っていなかったために、税務調査のときに指摘され過怠税を課された経験があるとの事でした。
また、印紙税の額を間違えて実際の額より多い印紙を貼り消印をしてしまった場合は、納め
すぎた額をの還付、返却を受けることができます。
その文書を所轄の税務署に持って行き、一定の手続きを取ることによって印紙税の還付を受
けることができます。
③ 印紙の対象となる課税文書
印紙の対象となる課税文書は、法律によって厳格に規定されているため、当事者が領収書
を受取書とタイトル、表題を変えたとしても、文書の内容から判断して課税文書に当たる
場合には、印紙を貼付しなければなならないとされていますので注意が必要です。
また、契約書の場合、印紙税法において課税文書として各契約書が規定されています。
例えば、請負契約は、課税文書とされいていますが請負契約を締結する場合には記載金額に
応じた印紙を貼付する必要があります。
請負契約は課税文書ですが、それに先立ち本契約である請負契約を締結する前提としての内
容の仮契約、予約契約、覚書等は、印紙税法に定める課税文書に該当するのでしょうか。
もし、仮契約や予約契約等が課税文書に該当する場合には、この段階で印紙を貼付しなけれ
ばならず、且つ本契約である請負契約を締結する時も印紙を貼付することになります。
仮契約や予約契約等が課税文書に該当するか否かは、契約書の内容から判断しますが課税文
書に該当するときは、仮契約や予約契約と本契約である請負契約共に、二回の印紙の貼付が
必要となります。
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