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【印鑑の概要】
(1)印鑑とは
印鑑は、官公署おける申請はもとより、個人的にも宅配便・郵便物の受取等においても必
要とされ、社会的に非常に重要なツールです。
印鑑は、役割、使用方法により実印・銀行印・認印また、訂正印・捨印・割印・消印等が
ありますが、印鑑の歴史は、古いですが明治6年10月1日の太政官布告によって現在
の印鑑登録制度が導入され、現在に至っています。
(2)会社の印鑑
会社は、様々な経済取引を行い、土地や建物の所有権を取得する等のように権利義務
が帰属するため、会社が独自の印鑑、会社固有の印鑑を備える必要があります。
会社は、会社を設立するときには、代表者印(実印)を法務局に提出しなければなら
ないとされていことから、会社の代表者印(実印)は、必ず作成する必要があります。
会社は、代表者が代表権を本当に有しているのか、印鑑が真実の印鑑であるのか確か
める必要性が個人よりも高いことによるものです。
★ 印鑑登録制度とは
印鑑登録は、印影(朱肉を使用して紙の上に表示された部分)を役所(個人の場合は市区
町村・会社は登記所)に登録する制度をいいます。
印鑑は、本人がきちんと管理しており、書面に押されますと、本人の意思に基づきて押印
されたと推定されます。
そこで、その印鑑が、印鑑の所有者のみが持ち、他人が使用できない状態であれば、その
印鑑で押された印影は、本人の意思に基づきて押印されたと推定され、証拠としても問題
はないことになります。
このように、印影を市区町村、登記所に登録することにより、役所は登録された印影が本人
のものに間違いないと証明してくれます。これが印鑑登録証明書です。
この印鑑証明書によって、本人の印鑑であること、本人の印鑑に間違いがないことを証明
してくれます。
従って、契約書に印鑑登録された印影が押され、印鑑証明書が添付されていれば、その契約
書は、偽造ではなく本人が作成し、本人の意思に基づき署名(記名)押印された契約書であ
書であると判断され相手方は、安心して契約を締結することができます。
① 代表者印(会社実印)
a.代表者印は、会社が登記してある法務局(会社の本店所在地の登記所)に登録されている
会社代表者の印鑑をいいます。
会社の代表者は、法律上必ず法務局(登記所)に印鑑を登録しなければならないとされ登録
後は申請により法務局(登記所)から印鑑証明書が発行されます。
印鑑カードが発行され、機械により印鑑証明書の取得ができます。
この印鑑証明書によって、契約書等の書類に押された印鑑が真正な代表者印であるか否かが
否が判断されます。
b.代表印は、一般的には、丸印といわれ登記申請、各種許認可の官公署の届け出、重要な書類
や契約書に使用されるために、代表者印の保管、管理には厳重に行う必要があります。
代表者印は、「○○会社 代表取締役之印」という記載がなされており、印鑑の大きさは、
1辺の長さが1cmを超え3cm以内の正方形に収まることが必要とされています。
② 銀行印
銀行印は、会社が銀行等の金融機関と取引するために届出ている印鑑です。例えば、銀行と
当座取引を行うときは、銀行に印鑑を届ますが、この印鑑により預金の払い戻し、手形小切手
の振り出しが行われます。
③ 社印
社印は、会社が発行する領収書、請求書、契約書等に使用される会社名の入った四角の印鑑
です。一般的に、角印・社印・会社印と呼ばれており、「○○会社之印」と記載がなさています。
④ 役職印
役職印は、担当取締役、部長、次長といった役職名の記載された印鑑です。
「○○部長之印」等の記載がなされており、社内文書や社内決裁に使用されるのが一般的です。
★ 認印とは
認印は、印鑑登録された実印以外の印鑑をいいます。印鑑証明書のいらない書類や郵便物、宅
配便の受取り等の日常生活に普通に使用する印鑑です。俗に三文判ともいわれています。
認印は、大量に生産され安い値段で購入することができますが、実印とは、別にさらに登録す
る事ができないため、重要な書類、契約書は偽造を防止ために、また法的リスク回避のために
実印を使用することが重要です。
(3)個人の印鑑
① 実印
実印は、あらかじめ市区町村に個人の印鑑として登録され、印鑑証明書の交付を受けられる
印鑑をいいます。
実印は、どのような印鑑でも登録できるものではなく、会社の代表印と同様に制限が定めら
れています。
例えば、印影の大きさが1辺25mm以下に納まらなかった場合、1辺8mm以下の正方形
に納まってしまう印鑑は、印鑑登録できないとされています。また、ゴム製その他、印形が
変化しやすい材質の印鑑、縁のない印鑑も同様です。
市区町村において印鑑登録を行いますと、「印鑑登録カード」が交付され、印鑑証明書の
交付をうけることができます。
印鑑証明書を添付すれば、その印鑑が本人の印鑑であることが公的に証明されることにな
ります。官公署に申請する登記・登録や金融機関からお金を借りる等の重要な契約の場合
には、実印が使用され印鑑証明書の添付が求められています。
★ 外国人の印鑑登録
欧米社会においては、すべてサインで済ませるために印鑑を押すという文化はありません
が、日本に在留する外国人で外国人登録法に基づく外国人登録を行っている外国人は、
日本人と同じ方法で印鑑登録を行うことができます。
また、外国には日本における印鑑証明書に該当するサイン証明制度があります。従って、
日本で印鑑登録を行っていない外国人の方は、在日外国公館においてサイン証明書を発行
行してもらい印鑑証明書の代用とすることができます。
因みに、相続案件として、日本人がアメリカに帰化しその方が唯一の相続人の場合を担当した
ことがあります。日本の銀行からは、アメリカには印鑑証明制度がないため、アメリカの公証
人の認証を得た「サイン証明」の提出を求められた経験があります。
因みに、外資系に勤務しているときですが、案件処理に必要なため日本在住の外国人(英国人)
の印鑑証明書を見た経験があります。
② 銀行印
銀行印は、銀行等の金融機関の口座開設、取引に使用される印鑑です。預金の出し入れ、小切
手の振り出し等に使用されます。実印と同様に重要な印鑑です。
③ 認印
認印は、印鑑登録された実印以外の印鑑をいいます。印鑑証明書のいらない書類、郵便物、宅
配便の受取り等の日常生活に普通に使用する印鑑です。
なお、実印・銀行印・認印がありますが、印鑑自体に区別があるのでなく、一つの印鑑を銀行
取引に使用すれば、銀行印ですし、実印として市区町村に登録すれば実印となります。
もっとも実印の重要性から、実印と銀行印は、別々の印鑑を用意する方が安全です。
(4)訂正印・捨印・契印・割印・消印
印鑑の役割から訂正印、捨印、契印、割り印、消印がありますが、基本的に同一の印鑑でよく
各場合にそれぞれ別の印鑑が必要とされる訳ではありません。
① 訂正印
訂正印は、契約書等の文書に記載した文字を書き直したり、書き加え、削除するときに、その
文字を訂正したことを証明するために押される印鑑です。
訂正印は、契約書等の文書が本人自ら訂正したを表示するために用いられます。これにより
訂正する権限のある本人が訂正したことが明確になります。
訂正する場合、訂正印というものがある訳ではなく、契約書等に押す印鑑を当該箇所に押印
することで足ります。
即ち、訂正に使用する印鑑は、訂正される文書に押印されている印鑑に対応しているべきで
す。訂正は、訂正する箇所に2本線を引いて行いますが、その際には元の文字が読めるよう
な状態を保ち、黒く塗りつぶさない事が必要です。
そして、2本線のところに訂正印を押します。契約書の場合は、契約当事者が押します。
もっとも、訂正する文字が多く押印すると文字が見えにくくなるときは、欄外に「○○字削除
○○字加入」と記載して、押印する方法もあります。
② 捨印
捨印は、契約書等の文書の欄外等に、将来に誤りが発見されたときに訂正するため、あらか
じめ、押しておく印鑑です。
即ち、後で文字の訂正が必要となった場合に訂正印として利用できるように事前に契約書や
文書の欄外に押しておく印鑑です。
捨印は、後で訂正箇所が見つかった時に、再び相手方に押印を依頼する手間が省けますが、
自分の知らない内に、契約書等の文書の内容が訂正され、不利益な事項が記入さる等の悪用さ
れる場合もありますので注意が必要です。
捨印は、本当に信頼できる相手方に対してのみ使用することが、リスク回避から重要です。
または、できる限り捨印は使用しないべきです。
なお、捨印は、契約書等の文書の署名・記名の末尾に押した印鑑と同一の印鑑で押印すること
が必要です。
③ 契印
契印は、契約書が数ページに渡る場合、それが一つの契約書である事を証明するために、ぺー
ジとページの綴じ目に押す印鑑です。
契印は、契約書の両ページの見開きに、1つの印影を半分づづにまたがって押します。
署名・記名の末尾に押した印鑑と同じ印鑑で押印する必要があります。
この契印がない場合は後から契約書の差し替えまたは追加がなされる恐れがあります。
④ 割印
割印は、2つ以上の独立した文書について、それらの文書間の同一性・関連性を示すため
に2つの文書にまたがって一つの印鑑を押印することです。
例えば、契約書の正本と副本、原本と写しなど二枚の書類が同一内容、同時に作成された
事の証拠として両方にまたがって押印しますが、これによって、偽造、変造を防止すること
ことができます。
割印は、契約書の他、領収書を発行するときに、領収書とその控えにまたがって一つの印鑑
を押印します。
⑤ 消印
消印は、契約書や領収書に印紙を貼る場合、印紙の再使用を防ぐために印紙と契約書、印紙
と領収書にまたがって押印することをいいます。
消印は、署名・記名の末尾に押した印鑑と同一の印鑑である必要はなく、サインでも×や〇
等でも問題はありません。
なお、契約書等の文書が、印紙税法上の課税文書のときは、納税のために契約書等に印紙を
貼り消印をしなければならないのですが、印紙は、納税方法として貼られるものにすぎず、
契約の効力とは関係がありません。
印紙を貼らない場合でも、契約が無効となることはありませんが、脱税となるため印紙税法
に基づき懲役、罰金の刑罰が科せられますので注意が必要です。
(5)印鑑を押す場合の注意点
契約書等の文書は、法律上、署名があれば成立し押印は必要とされていませんが、日本におい
は、取引において署名よりも印鑑を重んじる習慣、傾向があります。
文書の署名に併せて印鑑の押印が要求される場合が多いため、押印するときは次のような注意
が必要となります。
契約書その他の文書の内容をよく理解した上、意味の分からない条項、不明な箇所は必ず質問
し確認し、曖昧のまま、理解しないまま押印しないことが必要です。
これは、後に紛争が発生し訴訟になった場合、民事訴訟法上、文書に押印されている場合には
本人の意思に基づいて押されたものと推定され、本人の印鑑が押された文書は、真正に作成さ
れたものと推定されるため、訴訟においてこれを覆すことは著しく困難になります。
従って、契約書その他の文書に印鑑を押印する場合は、リスク回避のため細心の注意が必要と
なります。
★平成28年5月に発行されました「月刊総務6月号」に当事務所代表は「会社の印章管理」
という表題のもとに印章の意義、印章の管理方法、印章の法律問題等について執筆致しました。
★また、平成30年1月に発行されました「企業実務1月号」に当事務所代表は「社判の管理
ルール徹底していますか?」表題のもとに社判の種類と用途、社判管理のポイント等について
社内規程に基づき具体的に解説、執筆致しました。
上記の著作物は、国立情報学研究所 CiNii Articlesから著者検索または論文検索ができます。
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